【目的】TIAの抗血栓治療について検討した.【方法】2005年から5年間に入院となったTIA 71例.【結果】TIAの病態はアテローム血栓性が20例(28.2%),心原性が12例(16.9%),その他が39例(54.9%)であった.入院中の抗血栓療法としては,アテローム血栓性TIAの27.3%は点滴による抗凝固と抗血小板の併用療法,45.0%が点滴による抗血小板療法が行われており,その他のTIAでも16.7%は点滴による併用療法,31.0%では点滴による抗血小板療法が行われていた.心原性TIAでは58.3%が点滴による抗凝固療法であった.退院時にはアテローム血栓性TIAの30.0%では2剤抗血小板薬が投与されていた.【結論】ガイドラインには推奨がないが,TIAの急性期抗血栓療法は脳梗塞と基本的には同様に点滴による治療が主体であり,入院治療を行うことが迅速な治療開始に結びつくと考えられた.