脳卒中
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原著
一過性脳虚血発作急性期入院患者における脳梗塞発症リスクに関するABCD2スコアを用いた検討
森 真由美岡田 靖吉村 壮平松下 知永宮崎 雄一牧原 典子湧川 佳幸矢坂 正弘
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2011 年 33 巻 1 号 p. 25-30

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抄録

脳卒中急性期病院におけるTIA入院例のリスクと転帰との関連を明らかにする目的で,発症48時間以内のTIA入院例連続160例を解析した.TIAの定義は24時間以内の神経症状消失かつ画像上脳梗塞巣が認められないものとし,発症後90日以内の脳梗塞発症率およびリスク因子と転帰の関連をABCD2スコアで検討した.脳梗塞発症を8例(5%)に認め(全例7日以内の発症,中央値2.5日),50%はラクナ梗塞であった.脳梗塞発症群で入院時血圧が有意に高かった.ABCD2スコアの各項目(年齢≥60 歳,血圧≥140/90 mmHg,臨床症候,症状持続時間,糖尿病)単独では有意な関連は認めないが,脳梗塞発症群のABCD2スコア中央値は5.5(非発症群中央値4,p=0.065)と高い傾向にあった.また,ABCD2スコア以外の要素では,心房細動合併例と主幹動脈病変合併例ではそれぞれ有意差を認めなかったが,両者の合併例では脳梗塞発症を高率(25%)に認めた.TIAではABCD2スコア高値に加えて心房細動と主幹動脈合併例が急性期脳梗塞発症と関連すると考えられた.

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© 2011 日本脳卒中学会
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