脳卒中
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原著
脳卒中に関連した肺炎: 急性期リハビリテーション介入の立場からみた検討
前島 伸一郎大沢 愛子田澤 悠宮崎 泰広山根 文孝石原 正一郎栗田 浩樹佐藤 章武田 英孝棚橋 紀夫
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2011 年 33 巻 1 号 p. 52-58

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抄録

【目的】摂食・嚥下リハビリテーション(リハ)の立場から,脳卒中急性期にみられる肺炎の要因について検討した.【対象と方法】対象はリハ依頼のあった急性期の脳出血・脳梗塞患者504名で,年齢は14~98歳,平均入院期間は26.1±16.1日であった.初回評価として,年齢,既往歴,入院時血液検査などの患者背景に加え,反復唾液嚥下テスト,改訂水飲みテストなどの嚥下機能評価,病巣,肺炎発症時の嚥下リハの内容などを調査し,不適切な経口摂取の開始または食形態の変化がなかったかどうかを検討した.肺炎のタイプは,症状の発現時期とリハ介入時期によって,経口摂取の開始前で脳卒中発症後早期(入院後3日以内)に肺炎を併発したもの(早期群)と,それ以降で絶食中に肺炎を発症したもの(非経口群),また,経口摂取の開始後で,摂食・嚥下リハの介入前に肺炎を発症したもの(未介入摂食群)と介入後に発症したもの(介入摂食群)の4群に分けた.【結果】肺炎は504例中91例(18.1%)にみられ,早期群38例,非経口群39例,未介入摂食群5例,介入摂食群9例であった.4種類の肺炎のタイプと脳の病変部位との関係をみると,一側性/両側性病変,単発/多発性病変の有無で差を認めたが,テント上/下/上下病変で差はなかった.経過中肺炎を起こさなかった群と肺炎発症群の比較では,年齢,神経症候,認知機能,在院日数,退院時ADLに差を認めた.【結語】高齢で神経症候,認知機能障害が重度な多発性病変の患者では,経過中の肺炎が予後を悪化させるため,摂食管理には十分な注意が必要である.

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© 2011 日本脳卒中学会
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