2012 年 34 巻 4 号 p. 235-242
【目的】脳梗塞の診療の質をQuality Indicator(QI)という指標にて評価し,数値化することを通して分析を行った.【方法】QIは米国のものを参考に13項目とし,急性期病院2施設にて脳梗塞で入院した患者を抽出し診療録レビューを行った.QIを満たした患者の割合を遵守率とした.【結果】脳梗塞患者225名が抽出された.遵守率は飲酒習慣の記録(96.4%),喫煙習慣の記録(98.2%)が高く,禁食期間後の嚥下機能評価は64.0%,退院時二次予防処方は78.1%であった.禁食期間あり患者群の二次予防処方の遵守率(67.5%)は,ない群(86.0%)と比べ有意に低かった.【結論】脳梗塞における診療の質がQIにより数値化された形で評価でき,標準化への改善点が明らかとなった.