脳卒中
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原著
末梢性中大脳動脈瘤の臨床的検討
成澤 あゆみ昆 博之川口 奉洋高沢 弘樹森田 隆弘園部 真也大谷 啓介佐々木 達也西嶌 美知春
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2012 年 34 巻 5 号 p. 304-309

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抄録

【目的】末梢性中大脳動脈瘤は比較的稀であり,診断および治療に際してWillis動脈輪近傍の動脈瘤と異なる注意を要するため,その臨床的特徴を明らかにする.【対象および方法】2000年1月から2011年3月までの当科入院患者のうち末梢性中大脳動脈瘤を有する12例について,破裂・脳内血腫の有無,治療および予後について検討した.【結果】9例は多発脳動脈瘤であった.4例は末梢性中大脳動脈瘤破裂で発症し,そのうち2例で脳内血腫を伴い,8例は未破裂で診断された.根治術を行った11例全例でneck clippingを行った.治療成績は8例がGOSでGR,2例がMD,1例がSDであった.【結論】末梢性中大脳動脈瘤は,典型的な嚢状動脈瘤と異なる特徴をもち症例によっても様々であるため,個々の症例に合わせた治療方針の検討が必要である.

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© 2012 日本脳卒中学会
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