脳卒中
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原著
脳梗塞急性期再灌流療法におけるMerciリトリーバー治療の意義:人口25万人都市の脳卒中センターにおけるMerci導入後12カ月のデータより
長畑 守雄近藤 礼伊藤 美以子佐藤 篤山木 哲根津 仁子板垣 寛佐藤 慎治齋藤 伸二郎嘉山 孝正
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2012 年 34 巻 6 号 p. 408-413

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抄録

【目的】Merci治療導入後における脳梗塞急性期再灌流療法の転帰を検討した.【方法】対象は2010年11月からの1年間で発症から6時間以内の急性期に来院した85歳以下の脳梗塞患者122例で,再灌流療法3群(rt-PA,Merci,rt-PA and Merci)および保存的治療群の入院時NIHSSと退院時転帰(mRS)を検討した.【結果】再灌流療法はrt-PA群21例(17.2%),rt-PA+Merci群7例(5.7%),Merci群11例(9.0%)で,急性期脳梗塞患者の32.0%に何らかの再灌流療法を施行し得た.再灌流療法全体の転帰はmRS 0-2が14/39(35.8%),mRS 5-6が8/39(20.5%)であった.再灌流療法各群で転帰率に大きな差はみられなかった.【結語】急性期脳梗塞の治療において,Merci治療はrt-PAを補完する有効な再灌流療法である.

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© 2012 日本脳卒中学会
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