脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
総説
Cerebral microbleeds の成因と臨床
今泉 俊雄
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 35 巻 6 号 p. 397-405

詳細
抄録

要旨:Cerebral microbleeds (MBs)は高血圧性のmicroangiopathy,amyloid angiopathy が原因であるが,外傷など他の原因による微小脳内出血もMBs として報告されている.MBs は深部MBs (後頭蓋窩を含む)と皮質-皮質下MBs に分類して検討され,関連する危険因子などが明らかになっている.また,apolipoprotein ε4 や炎症との関連が新たに分かり,MBs の複合的な成因が理解されつつある.MBs 保有者は,脳卒中(特に脳内出血,ラクナ梗塞)の発症率,再発率が非保有者に比較して有意に高く,脳卒中発症の代用マーカーとして重要である.しかし,脳内出血発症率が高いMBs 保有者の抗血栓療法についての指針はなく,抗血小板剤,抗凝固剤の使用に関して迷うことも多く,更なる検討が必要である.MBs は,アルツハイマー型認知症(AD),脳血管性認知症共に関連する.

著者関連情報
© 2013 日本脳卒中学会
次の記事
feedback
Top