2014 年 36 巻 6 号 p. 425-431
要旨:【背景および目的】生活習慣病と虚血性脳卒中の再発および死亡との関係は長期観察が困難な点から十分に検討されていない.山形県の脳卒中登録事業から得た脳卒中データベースから,虚血性脳卒中の再発および全死亡と諸因子との関係を検討した.【方法】虚血性脳卒中を発症した544症例に対し,発症から2 年間追跡調査を行った.【結果】観察期間において,25 例の虚血性脳卒中再発および34 例の死亡を確認した.多変量解析では,再発例で糖尿病,高血圧,高コレステロール血症の存在(HR 2.72)および脳卒中の既往(HR 3.69)が独立した危険因子であった.死亡には年齢,糖尿病と高血圧の存在,抗血栓療法,虚血性脳卒中の病型,modified Rankin Scale が関係していた.【結論】糖尿病に高血圧等が合併することは,虚血性脳卒中の再発および死亡に関係し,代謝性危険因子の管理が二次予防において重要である.