脳卒中
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総説
頭蓋内主幹動脈狭窄病変に対する血管内治療
宮地 茂浅井 琢美
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2015 年 37 巻 4 号 p. 241-247

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抄録

要旨:頭蓋内主幹動脈狭窄に対する経皮的血管拡張術(PTA)は本邦でもさかんに行われてきたが,recoil や再狭窄が多いことから冠動脈ステントによるstenting が併用されてきた.本年認可されたWingspan® は,柔軟な自己拡張型ステントで,欧米の初期臨床成績は良好な結果であった.米国のstudy では術後30 日の同側脳卒中は4.5%,6 カ月後の50%以上の再狭窄は7.1%と有効性が高かった.しかし一昨年発表されたSAMMPRIS trial では,内科的治療群に比べてステント留置群に有意に合併症が多かったことから,本邦の実施基準では,Wingspan® の適応をレスキューと再狭窄例にしぼるとともに,血管内治療医以外の第三者の適用合意を義務づけている.頭蓋内主幹動脈狭窄に対するPTA stenting は,解離,穿通枝閉塞,出血性合併症などに十分留意し,適切な適用で慎重に行われるべきである.

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© 2015 日本脳卒中学会
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