2015 年 37 巻 5 号 p. 317-321
要旨:【目的】今回われわれは,浅側頭動脈-中大脳動脈(superficial temporal artery-middle cerebral artery)バイパス術後の患者に対して開口によるSTA 血流評価を行った.【対象と方法】今回の研究では,STA-MCA バイパス術後の患者92 名(男:48 例,平均年齢56.4 ± 21.4 歳)112 血管を対象とした.クラニアルアプローチ法で開口前後のSTA 血流測定を行った.開口負荷テストの陽性基準は,平均血流速度の減少率が30%以上とした.【結果】開口負荷テストの陽性群は10 血管(8.9%)であった.そのうち自覚症状の出現は1 例のみであった.【結語】クラニアルアプローチ法によるSTA の超音波検査は,血流評価が容易であった.