脳卒中
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原著
心原性脳塞栓症二次予防における経口抗凝固薬の選択行動
藤本 康倫梶川 隆一郎井筒 伸之平山 龍一永島 宗紀芳村 憲泰中村 洋平久村 英嗣若山 暁吉峰 俊樹
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2016 年 38 巻 4 号 p. 239-244

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抄録

【目的】心原性脳塞栓症における経口抗凝固薬(OAC)の選択行動について検討した.【方法】2012 年6 月から2015 年2 月までの197 名を,さらにその期間内でNOAC 3 種(ダビガトラン,リバーロキサバン[R],アピキサバン[A])から選択が可能であった2014 年3 月からの80 名を対象とした.【結果】前者対象においてワルファリン(W)群は35.0%,NOAC 群は50.8%であり,NOAC はWに比べ統計学的有意に低い重症度,腎機能良好,予後良好な患者に選択されていた.経過中9%においてNOAC からWへ切り替えられており,転院先の包括医療制度と薬価が背景にあると考えられた.後者対象においてNOAC 3 種間の比較ではR 群のNIHSS スコアはA 群と比較して統計学的有意に高値であり,R はA より重症例に選択されていた.【結論】NOAC 選択は患者の医学的背景のみならず社会経済的因子の影響も受けていた.

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© 2016 日本脳卒中学会
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