脳卒中
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短報
特発性肥厚性硬膜炎に脳静脈洞血栓症を合併した41 歳男性例
橋口 俊太川本 裕子城村 裕司岡田 雅仁田中 章景
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2016 年 38 巻 4 号 p. 272-275

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抄録

症例は41 歳男性.亜急性に進行した頭痛と行動異常が認められ緊急入院となった.入院時は,意識清明だが高揚感があり,軽度認知機能障害と項部硬直を認めた.脳MRI で硬膜が肥厚しており,上矢状静脈洞にdelta sign も認めていたため,MRV を追加したところ上矢状静脈洞と右横静脈洞が描出不良であった.肥厚性硬膜炎に脳静脈洞血栓症を合併した病態と考え,ヘパリンを併用しながら大量ステロイド療法を施行した.臨床症状が改善したため,ステロイド剤と抗凝固薬の内服に切り替え,自宅退院となった.肥厚性硬膜炎の原因として明らかなものは認められず,特発性と診断した.脳静脈洞血栓症については,凝固亢進状態を来しうる先天性もしくは後天性の素因も認めず,硬膜肥厚により二次的な静脈洞の閉塞と還流障害が生じたものと考えた.両者の合併は稀であるが,脳静脈洞血栓症の原因として肥厚性硬膜炎も鑑別に挙げておく必要がある.

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© 2016 日本脳卒中学会
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