2016 年 38 巻 5 号 p. 336-339
症例は58 歳,男性.突然の意識障害のため救急搬送された.来院時には深昏睡状態で除脳硬直様肢位を認めた.頭部CT で右被殻に約36 ml,左被殻に約40 ml の脳内出血を認めた.意識障害が強く血腫も大きいため,両側同時に緊急神経内視鏡下血腫除去術を施行した.手術時間は1 時間44 分であった.従来の手術法である開頭血腫除去術では,両側同時に施行するために体位変換等が必要であり,長時間の手術が予想される.その点,神経内視鏡下血腫除去術は短時間で両側同時に手術を行えるため,有用かつ低侵襲な治療法であると考えられた.