脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
原著
脳出血患者の抗凝固薬再開の時期と経過についての検討
長谷川 秀大田 和貴植田 裕上田 隆太三浦 正毅
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 39 巻 5 号 p. 339-343

詳細
抄録

抗凝固薬内服中の脳出血患者における抗凝固薬休薬後の再開時期やその後の経過について検討した.2013 年1 月から2 年間の非外傷性脳出血患者380 名が対象で,37 名が抗凝固薬(ワルファリン32 名,直接経口抗凝固薬:DOAC 5 名)を内服していた.抗凝固薬を再開したのは20 名で,再開後の薬剤はDOAC が11 名だった.再開の指標としたCHA2DS2-VASc スコアは3.5,再開日は休薬後4 日,HAS-BLED スコアは3,収縮期血圧は139 mmHg だった(いずれも中央値).2 名に脳卒中イベントがあり,1 名が抗凝固薬を中止後6 日に脳梗塞を,1 名がワルファリンを再開後18 カ月に脳出血を起こした.DOAC 再開患者では脳出血再発はなかった.抗凝固薬内服脳出血患者に対して,休薬後4 日を目処に再開しても再出血の危険性は少なく,それには再開時のリスク管理と再開薬としてDOAC を選択したことに関連する可能性が考えられた.

著者関連情報
© 2017 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top