脳卒中
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総説
究極の時間短縮戦略 ─若年層をターゲットにした脳卒中啓発とその効果─
横田 千晶峰松 一夫
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2018 年 40 巻 6 号 p. 445-450

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抄録

脳卒中発症後の治療開始時間の短縮化には,脳卒中発症後の病院受診までの遅れを最小限 にしなければならない.市民の脳卒中知識向上による脳卒中発症時の迅速な救急要請と救急隊の正 確な判断による脳卒中患者搬送は極めて重要である.小中学生を対象とした脳卒中啓発は,若年か らの生活習慣是正,家族に対する脳卒中知識の間接的啓発,脳卒中発症時のbystander として適切な 対処による病院受診までの時間短縮が期待される.我々は,脳卒中啓発教材を開発し,複数の特定 地域の小中学生を対象として,異なる啓発モデルを実践した.その結果,教材は医療関係者への啓 発教材にも使えること,啓発教材を用いた救急隊,学校教師の授業により,児童,生徒とその保護 者,さらには教える側(救急隊)への脳卒中啓発が可能であることを示した.今後,継続的な学校教 育への脳卒中啓発介入により,将来的に脳卒中発症~病院搬入時間の短縮に繋がる可能性がある.

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© 2018 日本脳卒中学会
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