脳卒中
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原著
5 年以上経過した循環型脳卒中連携患者346 例の連携継続状況の検討
今井 昇伊賀崎 翔太堀内 公成守屋 麻美八木 宣泰小西 高志芹澤 正博小張 昌宏齋藤 靖
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2019 年 41 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

【目的】急性期病院とかかりつけ医で行っている,循環型脳卒中予防連携の長期的な連携継 続状況と連携継続に関与する因子を検討した.【方法】当院で脳卒中連携登録から5 年以上経過した 346 例中,定期受診予定月を3 カ月超えず受診を継続した患者を連携継続群と定義し,連携継続群と 非継続群に分類し検討した.【結果】連携継続群は38%で,連携継続群は非継続群より若年で高血圧 と脂質異常症の合併率が高く,頸動脈病変と悪性腫瘍の合併が少なく,mRS 2 点以下で自宅退院が 多く病院主治医が脳卒中専門医の率が有意に高かった.ロジスティック回帰分析では若年,高血圧 と脂質異常症の合併,mRS 2 点以下のみが独立した連携継続因子だった(オッズ比:2.09,2.23, 2.33,2.81).【考察】循環型脳卒中連携は5 年以上経過しても約4 割の患者が継続し,若年,高血圧 と脂質異常症の合併,mRS 2 点以下は連携継続率を高めることが示唆された.

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© 2019 日本脳卒中学会
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