脳卒中
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シンポジウム 総説
脳出血:外科治療の意義と展望
鈴木 隼士小野 隆裕山口 卓西野 克寛清水 宏明
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2019 年 41 巻 1 号 p. 45-51

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抄録

脳出血は,全脳卒中の約20%を占め生命予後,機能予後の改善が課題である.高血圧性脳出血ではケースシリーズやin the International Surgical Trial in Intracerebral Haemorrhage(STICH),STICH II 試験などの結果を踏まえ,日米のガイドラインで,被殻出血に対する定位手術や増悪傾向,脳幹圧迫のある小脳出血などへの手術が推奨されているが,全体的には外科手術の有効性のエビデンスは乏しい.一方,外科治療のもう一つの役割として,出血源の確認や処置の側面がある.Cryptic arteriovenous malfromation(AVM)や腫瘍性出血の可能性を常に念頭におくことや,出血源の処置が重要である.また,高血圧性以外のAVM やもやもや病などによる脳出血では術後の機能予後が比較的よいことも指摘され,より積極的に手術を考えるべきであろう.最近では,神経内視鏡による低侵襲手術が脳室内出血に著効する場合があることなどの報告があり,今後のエビデンス蓄積が待たれる.

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© 2019 日本脳卒中学会
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