脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
症例報告
くも膜下出血の原因検索と治療に造影 MR vessel wall imaging が有用であった認知症を伴う高齢者の1例
五十嵐 晃平久下 淳史近藤 礼下川 友侑山木 哲齋藤 伸二郎園田 順彦
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 42 巻 6 号 p. 543-547

詳細
抄録

要旨:74歳,女性.アルツハイマー型認知症と診断を受けており,施設に入所中であった.転倒後に頭痛の訴えがあり,頭部CTでくも膜下出血を認めた.問診にて病歴聴取と頭痛の性状等を尋ねるも,認知症の影響により情報収集が困難であった.3D-CT angiography を施行したところ,前交通動脈に囊状動脈瘤を認めた.外傷性くも膜下出血との鑑別目的に造影 MR vessel wall imaging を施行したところ,脳動脈瘤壁に強い増強効果を認めた.病歴聴取はままならなかったが,脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の可能性が高いと判断し,血管内治療を施行した.新たな合併症・神経脱落症状を呈することなく発症前の状態で独歩退院した.病歴聴取が困難であった高齢認知症患者のくも膜下出血の治療方針の決定に造影 MR vessel wall imaging が有用であった1例を経験したので報告する.

著者関連情報
© 2020 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top