2021 年 43 巻 4 号 p. 299-305
要旨:頸動脈内膜剝離術(CEA)前後の認知機能変化に関し,臨床的に意味のある定義づけをするために,主観的評価および神経心理検査データから,各症例を「術後機能改善」および「術後機能悪化」と定義した.その結果,「術後改善」は11%,「術後悪化」は11%,「術後不変」は78%であった.SPECT,PET,MRI等を用いた検討から,「CEAによる脳血流改善→脳代謝改善→大脳皮質神経受容体機能・大脳白質微細構造の改善→認知機能改善」という流れがあることがわかった.術前に存在する大脳半球白質病変の程度が認知機能改善の律速になっていた.また,同検討から,「CEA後過灌流→脳代謝低下・大脳皮質神経受容体機能低下・大脳白質微細構造障害→認知機能悪化」という流れがあることがわかった.「CEA後過灌流が脳血液関門を破壊し,microbleeds をはじめとした神経毒が流出し,神経組織を障害し,認知機能低下を来す」ことが示唆された.