論文ID: 10368
要旨:症例は心房細動,高血圧症および2 型糖尿病を有する73 歳の男性.脳梗塞を発症し,左内頸動脈狭窄症の治療のために当院に転院された.頸動脈超音波検査では潰瘍を伴う低輝度病変,MRI T1 強調画像ではプラークは高信号を呈しで不安定プラークが考えられた.脳血管造影検査でNASCET 76.8%であったため,頸動脈ステント留置術(CAS)を行った.その際,ステント留置直後にin-stent plaque protrusion(ISPP)を認め,ISPP の経過観察のために複数回超音波検査を行った.造影剤を使用しない頸動脈超音波検査ではISPP の観察は困難であったが,頸部血管造影超音波検査ではISPP の部位を境界明瞭に描出し得た.CT アンギオグラフィーで同定したISPP の形態は,造影エコーのそれと類似しており,頸部血管造影超音波検査は,CAS 後のISPP の観察に有用であった.