脳卒中
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当院での急性大動脈解離に伴う脳梗塞13 症例の検討
渡部 真志平野 聡子越前 康明榊原 健二若林 由佳髙谷 美和原田 祐三子村上 あゆ香小林 麗岡田 久奥田 聡
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論文ID: 10432

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抄録

【目的】Stanford A 型急性大動脈解離(type A acute aortic dissection: TAAAD)に伴う脳梗塞ではrt-PA 療法が致死的結果を招き得るため,鑑別に有用な臨床因子を検討した.【方法】TAAAD に伴う脳梗塞13 例(TAAAD 群)を後方視的に分析し,rt-PA を投与した脳梗塞57 例(rt-PA 群)と比較検討した.【結果】TAAAD 群は胸痛が多く(p<0.01),全例で何らかの意識変化が見られた.TAAAD 群は血圧が低値で(p<0.01), 収縮期血圧のcut-off 値はROC 解析で130 mmHg 以下であった. 特に110 mmHg 以下では陽性尤度比35.1 と特異性が高かった.また徐脈傾向が見られた.【結論】疼痛の問診がTAAAD 鑑別に重要で,収縮期血圧130 mmHg 以下でTAAAD が疑われ,110 mmHg 以下かつ心拍数60 回/分以下では積極的に疑うべきである.

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© 2017 日本脳卒中学会
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