脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

慢性鉄欠乏性貧血による血小板増多症が原因であった上矢状洞閉塞症の1 例
桝田 宏輔出原 誠萩原 靖
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 10713

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

要旨:【目的】鉄欠乏性貧血による血小板増多症が原因であった脳静脈洞閉塞症を経験したので報告する.【症例】29 歳女性.子宮筋腫による不正出血のため慢性貧血を指摘されていた.突然の左片麻痺が出現.来院時ヘモグロビン濃度4.0 g/dL,血小板数142 万/μL.頭部MRI で両側前頭葉に脳腫脹を,脳血管撮影で上矢状洞閉塞を認めた.血栓回収療法により静脈洞閉塞は部分再開通が得られ,症状は徐々に改善した.第26 病日に子宮筋腫摘出術を行い貧血が改善.発症後9 カ月間で抗凝固療法を終了したが,その後1 年以上閉塞症の再発は起こしていない.【結論】高度貧血による血小板増多症は閉塞症の原因となる.血栓回収療法は脳動脈閉塞のみならず脳静脈洞閉塞に対しても有効な症例がある.

著者関連情報
© 2019 日本脳卒中学会
feedback
Top