論文ID: 10845
要旨:【背景と目的】動脈硬化性内頸動脈閉塞例では,閉塞部をガイドワイヤーで通過(lesion cross)することが求められる.頸動脈エコーは lesion cross 部位を描出できる可能性がある.【方法】2015年4月から2019年5月までの血栓回収療法例中,内頸動脈起始部の動脈硬化性閉塞例を対象とした.再開通療法後に,術前に施行した頸動脈エコー所見を再評価した.【結果】8例のデータを解析でき,6例で lesion cross 部位を頸動脈エコーで描出できていた.Lesion cross 部位は,周囲の高輝度から等輝度のプラークと区別でき,低輝度を呈する血管腔として捉えられた.Color Doppler 法では3例で血流が入り込む像を描出していた.5例の lesion cross 部位は,内頸動脈の前面に位置していた.【結論】頸動脈エコーは,動脈硬化性内頸動脈の急性閉塞部の同定に有用な可能性がある.