脳卒中
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頸部内頸動脈狭窄症に対するDoppler spectrum analysisの診断的有用性について
片岡 敏
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1988 年 10 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

頸部内頸動脈狭窄症における頸動脈血流のDoPPIer spectrum analysisの診断的, 定量的有用性について血管写と比較検討した.対象は53例-77血管で血管写上正常群, 狭窄群に分け総頸動脈~内頸動脈の4ヵ所で血流のpeak systolic frequency (PSF), peak diastolicfrequency (PDF) をDoppler spectrum analyzerで測定し, PSRratio (ICA/CCA) : (内頸動脈のPSFと総頸動脈のPSFの比) を求めた.正常群の総頸動脈~内頸動脈のPSF, PDFは一定で, PSFの局在性の4.0KHz以上の増加やPSF-ratioが1.50以上の時は狭窄症を強く示唆する.狭窄症では狭窄度とPSF又はPSF-ratioとの間には正の相関があり, PSF又はPSF-ratioの値から80%狭窄までは狭窄度の推定は可能でこれらは頸動脈血流の定量的parameterとして有用と考えられた.診断の精度はPSF≧4.0KHzとした時の方が, PSFratio≧1.50の時よりも感受性, 特異性は高く, 両方の条件を満たすことで感受性, 特異性は向上した.

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