前大脳動脈A1部に窓形成を認め, その基部に発生した脳動脈瘤の治療経験につき考察を加え報告する.
症例は52歳, 女性.突然の頭痛・嘔吐で発症し, くも膜下出血と診断され2日目に来院した.前大脳動脈瘤と診断しクリッピングを行ったが, 動脈瘤は脳血管写でははっきりしなかったA1部の窓形成基部の外側に位置していた.
窓形成部に発生した脳動脈瘤は極めて稀で調べ得た限りでは8例にすぎなかった.その特徴として動脈瘤柄部は全て窓基部の内側に位置しており, 本症例とは異なっていた.
またspasmの発生率が高く (50%), 注意を要し, 更にこのことは窓形成血管とspasmとの関連性があることを示唆している.