脳卒中
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高血圧性被殻出血の検討
手術群と非手術群との比較
安藤 隆篠田 淳平田 俊文坂井 昇山田 弘
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1989 年 11 巻 1 号 p. 60-67

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抄録

高血圧性被殻出血 (222例) を手術群 (146例), 非手術群 (76例) に分け生命予後および機能予後について比較検討した.1) 神経学的分類によるgrade I は原則として保存療法でよく, grade Vは両群とも予後不良で手術適応外である. grade IVは生命予後の面から手術群が良好であった.2) 毛様体脊髄反射消失などの眼症状を認めても, 手術により十分救命しうる可能性がある.3) CT上血腫径4cm, 第III脳室偏位6mm, 上下への進展4cm以上のものは予後不良であった.又, 脳室穿破はあきらかに生命予後を不良にする.4) 非優位側血腫例は優位側に比し機能予後は良好であるが, 生命予後には差を認めなかった.5) 手術時期については必ずしも早期程良好とはいえない.しかしながら, 待機中の増悪例を救命するには超早期手術が必要である.6) 機能予後については, 筋力高度障害例では両群とも回復困難例が多いが, やや手術群で良好である.しかし中等度~軽度障害例では両群間に差がみられなかった.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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