糖尿病において空腹時血糖値 (FBS) を指標とする血糖コントロールが, 脳血管障害の発症に及ぼす影響について検討した.対象は発症1年以内に当院の糖尿病外来を受診し, その後少なくとも5年間連続して通院した432名の糖尿病患者である.対象を平均13.2年間観察し, 期間中に36名の脳血管障害 (CVD) の発症を認めた。受診後5年間のFBSの平均値はCVD群132.5mg/dl, 非CVD群117.1mg/dlとCVD群で有意に高かった.また血糖コントロールをFBSの値により, 良・可・不良の3群に分けると, コントロールの不良な群ほど脳血管障害の発症率は高かった.FBS以外のリスクファクターも含むproportional hazards modelでもFBSは脳血管障害の発症に対し, もっとも影響のある因子として選択された.以上により, 血糖コントロールは糖尿病において脳血管障害発症の重要なリスクファクターとなることが示唆された.