脳卒中
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両側動眼神経麻痺, 一側 asterixis 等多彩な症状を呈した傍正中視床・中脳梗塞の1例
鈴木 光一若山 吉弘岡安 裕之高橋 裕秀
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1989 年 11 巻 4 号 p. 416-421

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抄録

傍正中視床・中脳梗塞の1例を報告した.症例は68歳の男性で高血圧, WPW症候群にて通院していたが発作性心房粗動を合併した為, 電気的cardioversionを施行した.翌日, 突然意識障害となり入院.神経学的には1) 両側動眼神経麻痺, 2) 右側小脳性失調, 3) 一過性の意識障害および時間的見当識障害, 4) 一過性の右上肢asterixisを認めた.CT, MRIでは中脳被蓋部から左側視床内側におよぶ病巣を認め中脳傍正中枝の閉塞による傍正中視床・中脳梗塞と考えられた.脳血管障害による両側動眼神経神経麻痺および右上肢asterixisについて中脳傍正中枝の閉塞との関連を文献的に考察した.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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