脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
多発性脳動脈瘤に対する急性期治療
松崎 隆幸和田 啓二佐々木 雄彦武田 利兵衛中村 順一
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 12 巻 2 号 p. 148-153

詳細
抄録
破裂脳動脈瘤に対する急性期治療において多発性の場合, 一期的手術あるいは二期的手術のいずれが選択されるべきかのコンセンサスは, 十分にえられているとは限らず急性期手術の外科的リスクを明らかにする目的で検討を加えた.
対象は過去5年間における急性期手術348例のうちの多発例80例 (平均年齢52.5歳) である.これらにつきGrade別, 一期的手術群, 二期的手術群, 未処置群の比較及び多発例の組合せ別に検討した.結果としてGrade別ではGrade IVが転帰不良であり両側性一期的手術は不要と思われた.また未破裂後頭蓋窩脳動脈瘤についても同時に処置することは慎重に施行すべきものとおもわれた.Anterior circulationの瘤については, 一側性一期的手術の外科的リスクは6.9%であり両側性一期的手術では13.6%であった.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top