脳卒中
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糖尿病に合併した穿通枝系脳血栓症の脳循環代謝
坂本 静樹赫 彰郎北村 伸荒木 俊彦飯尾 正明
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1990 年 12 巻 5 号 p. 421-429

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抄録

糖尿病 (DM) に合併した穿通枝系脳血栓症患者の脳循環代謝を15O PET studyにより測定し, 正常者および非DM穿通枝系脳血栓症患者と比較した.皮質脳血流, 酸素代謝低下は前頭葉で最も著しく, 被殼, 橋, 小脳でも低下が著明で, 対象に血管性痴呆を呈する例が多い事との関連が考えられた.DM患者群で橋の血流低下が著しいことを除いて, 非DM患者群との循環代謝低下の絶対値および部位による相違は認めなかった。機能予後不良例はDM患者群に多く, 両群ともADLの悪いものほど循環代謝の低下が著しかった.またDM患者の機能予後には皮質代謝低下の他に, 糖尿病性神経障害などのDM合併症の関与が考えられた.DM患者脳血管障害発症の危険因子と対側平均皮質血流量との検討より, DMに高血圧症を合併したもので血流低下が著しく, 頭蓋内血管の動脈硬化が進行している事が示唆された.他の危険因子と血流量低下とは有意な相関を示さなかった.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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