脳卒中
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ウィリス動脈輪閉塞症と動脈硬化性脳主幹動脈閉塞症における脳循環動態の対比
小原 克之後藤 文男篠原 保高嶋 修太郎高橋 一司
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1990 年 12 巻 5 号 p. 463-471

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抄録

Xe enhanced CT法を用いて, ウィリス動脈輪閉塞症11例 (22側), および動脈硬化性脳主幹動脈閉塞症8例 (内頚動脈閉塞症2例, 中大脳動脈閉塞症2例, 中大脳動脈領域梗塞4例) の安静時局所脳血流量および局所CO2反応性を測定した.動脈硬化性主幹動脈閉塞症では, 閉塞側の前頭葉皮質, 側頭葉皮質, 被殼, 尾状核の局所脳血流量, CO2反応性は, 非閉塞側の同部位に比し有意に低下していた.ウィリス動脈輪閉塞症の局所脳血流量は, 後頭葉皮質以外の部位で, 動脈硬化性主幹動脈閉塞症の閉塞側に比し有意に高値を示した.また, 局所CO2反応性は, 被殼, 尾状核の基底核部で, 動脈硬化性主幹動脈閉塞症の閉塞側に比し有意に高値であった.すなわち, ウィリス動脈輪閉塞症と動脈硬化性主幹動脈閉塞症では, 脳循環動態に明かな相異を認めた.これは, ともに脳主幹動脈が閉塞する疾患でありながら, 側副血行路の発達が異なることに起因すると考えられた.
1.Xe enhanced CT法を用いて, ウィリス動脈輪閉塞症11例, および動脈硬化性脳主幹動脈閉塞症8例の安静時局所脳血流量および局所CO2反応性を測定した.
2.動脈硬化性主幹動脈閉塞症において, 非閉塞側半球の平均脳血流量はCO2負荷により有意に増加したが, 閉塞側半球の平均脳血流量は有意には増加しなかった.
3.動脈硬化性主幹動脈閉塞症では, 閉塞側の内頚動脈潅流領域の局所脳血流量, 局所CO2反応性は非閉塞側の同部位に比し, 有意に低値であった.
4.ウィリス動脈輪閉塞症では, 動脈硬化性主幹動脈閉塞症の閉塞側に比し, 内頚動脈潅流領域の安静時局所脳血流が有意に高値であった.
5.ウィリス動脈輪閉塞症の局所CO2反応性は, 基底核部において, 動脈硬化性主幹動脈閉塞症の閉塞側に比し有意に高値であった.
6.以上の結果は, ウィリス動脈輪閉塞症において, 脳底部モヤモヤ血管を中心とした側副血行路の発達が良好なためと考えられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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