脳卒中
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脳血管障害の治療と予後に関する多施設共同研究
第1報被殻出血
後藤 文男
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1990 年 12 巻 5 号 p. 493-500

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抄録

昭和59年から昭和63年までの5年間に11施設 (慶應義塾大学神経内科およびその関連病院) に発病24時間以内に入院し, CTスキャンを施行し得た被殼出血819例 (男514例, 女305例, 平均年齢59±11歳) を内科治療群678例と外科治療群141例に分け, 入院時神経学的重症度 (NG), CT分類, 血腫最大径, 血腫量と退院時予後との関係を検討した.NG, CT分類, 予後は, 脳卒中外科研究会の分類に準じた.その結果は (1) 軽症, 中等度の例 (NG1, NG2, NG3の例, CT分類1, IIa, IIIa, IVaの例, 血腫の最大径5cm以下の例, 血腫量30ml以下の例) では, 内科治療が, 機能予後の面で優っていた. (2) 重症例 (NG4a, NG4b, NG5の例, CT分類のIVb, Vb, 血腫の最大径5.1~7.0cmの例, 血腫量31ml以上の例) では, 外科治療は内科治療に比較し死亡率は有意に低下させるが, 外科治療により生存したものの機能予後は極めて不良であった.従って被殼出血の外科治療の目的は重症例における救命のみにあると考えられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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