脳卒中
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実験的総頚動脈壁解離の作製ならびに組織学的病態経過の検討
小林 孝志上田 伸
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1991 年 13 巻 1 号 p. 11-20

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抄録

閉塞性脳血管障害の一つに脳動脈壁解離がある.しかし, 臨床報告が散見されるのみで実験モデルによる検討は見当たらない.著者らは家兎総頚動脈に人為的動脈壁解離を作製し, 最長3ヵ月間飼育, 経時的 (1時間, 3週間, 1ヵ月, 3ヵ月後) に剖検し, その病態を検討した.55羽中25羽に組織学的に動脈壁解離を確認した.結果より, 壁解離は大きくre-entry形成 (REF), pocket形成 (PF), 閉塞の3群に分かれた.REF・PFモデルの経時的変化は発生1ヵ月以内は進展期で, 1ヵ月以降は徐々に治癒機転が生じ, 早いものでは3ヵ月後に治癒期 (組織学的安定期) になると思われた.1週間以内は隅角部に血栓形成を認め, 塞栓源となる可能性が示唆された.5羽に閉塞がみられたが, 大半は作成後1時間のもので, 壁解離の急性期に完全閉塞が生じうると考えられた.また別の1例は解離作成後10時間で解離性動脈瘤を生じ, 急性破裂をきたし死亡した.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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