脳卒中
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脳梗塞と肺梗塞を同時期に繰り返し生じた1例
太田 文人花北 順哉諏訪 英行西 正吾阪井田 博司
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1991 年 13 巻 1 号 p. 28-33

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抄録

2回にわたり, 脳梗塞と肺梗塞を繰り返した症例を報告し, その共通する危険因子について検討した.症例は45歳の男性で, 右中大脳動脈と前大脳動脈の分水嶺領域と左前大脳動脈の終末領域に脳梗塞を生じた.肺梗塞は, 1回目の脳梗塞発作後, 暫くして行われた腰椎椎間板ヘルニア切除後の安静仰臥中と, 2回目の脳虚血発作による右下肢不全麻痺後の臥床状態の時に生じた.入院中に著明な起立性低血圧が認められ, 2回目の脳虚血発作は過度の飲酒と入浴後に生じていた.本症例の脳梗塞と肺梗塞の共通の危険因子としてはplatelet factor 4とβ-thromboglobulinの上昇で示される血小板凝集能の充進があり, これが基盤になり, 起立性低血圧によるhemodynamic factorと飲酒あるいは入浴によるhemoconcentrationが重なり, 脳梗塞が生じたと考えられた.肺梗塞は血小板凝集能充進状態に, 臥床状態が重なり生じたと推察された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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