脳卒中
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頸部内頸動脈血栓内膜切除術80例の長期追跡結果の検討
野村 耕章遠藤 俊郎岡 伸夫西嶌 美知春高久 晃
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1992 年 14 巻 4 号 p. 375-381

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抄録

頸部内頸動脈血栓内膜切除術 (CEA) を施行し, 術後2~10年経過した80例について長期追跡結果の検討を行った.対象は昭和56年4月より63年12月の間に, 脳虚血症状で発症, 頸部内頸動脈に75%以上の狭窄または潰瘍形成を疑われる50~74%狭窄病変を有し, CEAを施行した80例である.男74例, 女6例, 手術時の年齢は平均68歳, 70歳以上は26例であった.平成2年12月末日現在の追跡調査を行い治療成績を検討した.状態はExcellentよりDeadまでの5段階 (EGFPD) で判定した.この結果80例の予後は, E41・G22・F9・PO・D8であった.死亡8例の原因は心疾患3例, 脳底動脈閉塞1例, 肺癌1例, 詳細不明3例であった.退院時に比し症状増悪を認めた6例の原因は, 他部位血管閉塞4例, 脳内出血1例, 慢性硬膜下血腫1例であった.CEA80例の予後検討の結果, 手術部位に起因する脳卒中再発作はなく, 70歳以上の高齢者も含め, その意義は高いものと考えられた

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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