脳卒中
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破裂して脳幹出血をきたした紡錘状椎骨脳底動脈瘤の1剖検例
金井 秀樹永井 肇
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1992 年 14 巻 6 号 p. 655-660

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抄録

我々は, 破裂してクモ膜下腔および橋から延髄にわたる実質内に出血を生じた巨大な椎骨脳底動脈紡錘状動脈瘤の1剖検例を経験した.動脈瘤は橋下部を背側へ圧排しており, 最も拡張した動脈瘤壁の脳幹側に破綻を認めた.破綻部断端の線維性に肥厚した内膜や萎縮して膠原線維に置換された中膜には, 出血, 血漿浸潤およびフィブリノイド物質の滲出が見られた.動脈瘤壁への血流による圧負荷に加えて, 壁内出血や浸潤した血漿による壁の組織融解が動脈瘤破裂の成因と考えられた.橋上部から延髄の出血巣内の細血管には著名なうっ血や血液漏出を認め, フィブリノイド変性, 壁の融解や破綻も生じていた.動脈瘤から脳幹への直接出血あるいは大量のクモ膜下出血によって, 脳幹に虚血や灌流障害が生じた結果, 血管透過性が亢進し, 細血管から漏出性および破綻性出血が生じ, これらの融合による二次的出血も加わって本症例の脳幹出血が形成されたと考吏られた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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