脳卒中
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クモ膜下出血に伴う水頭症の病態
永井 肇
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1992 年 14 巻 7 号 p. 683-693

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抄録

水頭症の病態については依然として不明な点が多いが, 今回の臨床的, 実験的な検討から次のことが明らかとなった.
即ちクモ膜下出血後の水頭症では,
1) 臨床的な検討からクモ膜下腔の特に脳底槽の出血が髄液の循環障害を来たして脳室に髄液を貯留させ, これが脳室を拡大させる主たるdriving forceとなる.
2) 脳室を拡大させる他の修飾因子として, 脳実質及びそれを覆う頭蓋骨のcomplianceが重要である.
a) 頭蓋内圧の脈波はPVRと良く相関するが, 左右差を来たした脳室拡大の実験例で左右の頭蓋内圧脈波の高さに差のなかったことから, 脈波そのものが脳室拡大の大きな因子になっている可能性は少ない.
b) 髄液のto and fro movementは頭蓋腔にcomplianceの大きい部分があるとその方向へ向かって移動し易くなる.
c) 頭蓋内圧脈波は頭蓋腔のcomplianceの指標となるが, Cine MRIに於ける髄液のto and fro movementは頭蓋腔のcomplianceとは必ずしも相関しない.

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