脳卒中
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両側大脳脚梗塞によると考えられたlocked-in syndromeの1例
高松 和弘滝沢 貴昭佐藤 昇樹村上 裕二宮本 勉
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1993 年 15 巻 3 号 p. 225-231

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抄録

我々は両側大脳脚梗塞によると考えられたlocked-in syndromeの67歳, 男性例を報告した.本症例は四肢麻痺を呈していたが意志伝達は瞬目で可能, 眼球運動で右側注視麻痺を認めた.垂直方向に制限はなかった.MRIで両側大脳脚と橋傍正中部に腹側から背側に延びる梗塞巣を認めた.短潜時体性感覚誘発電位 (S-SEP) では左正中神経刺激でP13-P14, N18の振幅低下傾向, 瞬目反射 (BR) では右側刺激でearly reflexを認めるのみだった.聴性脳幹反応 (ABR) では両側共にI波から不明瞭であった.S-SEPとBRの異常は橋傍正中部の背側病変, ABRの異常は末梢性病変によると考えられた.本症例の責任病巣として両側大脳脚病変の重要性と過去の両側大脳脚病変によるlocked-in syndromeの特徴につき考察を加え報告した.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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