脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
5-HT1D receptor刺激の脳循環調節に与える影響
Sumatriptan静注法による検討
浅野 賀雄島津 邦男金 浩澤古屋 大典濱口 勝彦
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 16 巻 1 号 p. 40-47

詳細
抄録

サル14頭を用い, 電磁流量計にて内頸, 椎骨, 外頸, 大腿動脈血流を血圧・脈拍・PeCO2とともに連続測定した.脳代謝は脳酸素消費量を, 脳血管反応性はAutoregulation Index (AI) とChemical Vasomotor Index (CVI) を指標とした.Sumatriptan 30,100,300μg/kg/3min静注前後で各血流と脳代謝を測定し, 次いで10μg/kg/min持続静注下に脳血管反応性を投与前と比較した。 (1) 血圧は100,300μg/kg/3minで有意に低下 (p<0.05) したが, 脈拍は有意な変化を示さなかった. (2) 内頸動脈血流は各用量で, 大腿動脈血流は100μg/kg/3minで一過性に有意な減少 (p<0.05) を示し, 椎骨および外頸動脈血流は変化を示さなかった. (3) 脳酸素消費量は有意な変化を認めなかった. (4) 内頸動脈系における血液注入負荷時のAIは投与後有意に低下 (p<0.05) し, 過換気負荷時のCVIは低下傾向を示した.以上より, sumatriptanは内頸動脈系に対して収縮性に作用し, 脳循環自動調節に良好な影響を及ぼすことが示唆された.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top