脳卒中
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視床性pure sensory stroke
その責任病巣のMRIによる検討
斉藤 斉丹羽 潔篠原 幸人
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1994 年 16 巻 1 号 p. 8-14

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抄録

視床の脳血管障害によりpure sensory stroke (PSS) を呈した患者6例のMRI所見について検討した.対象はMRI上, 視床にのみ小梗塞が認められ, 臨床症候よりPSSと診断した脳梗塞患者6例 (男性5例, 女性1例).年齢は56歳から77歳.MRIは改善の認められた1例を除いて慢性期に施行したものを使用した.各患者のMRI施行時の感覚障害の分布は顔面を含む一側半身障害が3例, 顔面を含まない一側半身障害が2例および一側顔面と上肢の障害が1例であった.これら患者6例のMRI上の小梗塞部位について解剖学的水平横断面図を用いて, その位置を推定した.その結果, 後外側腹側 (VPL) 核に病巣を認めたものが2例, 後外側 (LP) 核が3例および視床枕とVPL核の両方が1例と考えられた.従来責任病巣と考えられていたVPL核とともに, LP核あるいは視床枕も視床性PSSの責任病巣となりうる可能性が考えられ, その発現機序について若干の考察を行った.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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