脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
多発脳梗塞例における活動過剰型せん妄のMRI所見
新畑 豊渡辺 正樹茂木 禧昌古瀬 和寛高橋 昭
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 16 巻 2 号 p. 117-122

詳細
抄録

多発脳梗塞患者69名のうち, 臨床的に活動過剰型せん妄を呈する32名 (D群) とせん妄のない対照群37名 (C群) の1.5T頭部MR画像について, 橋, 視床, 大脳基底核, 放線冠の梗塞像, 脳室周囲高信号域 (PVH), 脳室拡大度を比較し, その特徴を検討した.その結果, 基底核, 放線冠の梗塞数には両群に差はみられないが, D群は視床に梗塞が広く分布し, 脳室周囲高信号域 (PVH) が広範であり, 側脳室前角部, 第3脳室拡大が高度である事が特徴といえた.多発脳梗塞患者の頭部MRI読影にあたり, 高度のPVH, および視床梗塞がみられる場合, せん妄発現の可能性が示唆されるものと考えられた.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top