脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
70歳以上の高齢者に施行された頸動脈内膜剥離術の手術成績と長期予後
宇野 昌明阿川 昌仁西谷 和敏上田 伸松本 圭蔵
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 16 巻 4 号 p. 250-255

詳細
抄録

70歳以上の高齢者に施行された32症例34病側の頸動脈内膜剥離術 (以下CEA) の手術成績及び長期予後を検討した.これらのpostoperative neurological mortalityは2.9%, permanent morbidityは0%であり, 70歳未満の症例と比較し, 有意差はなかった.長期予後はasymptomaticの症例は全例がADL1の状態であり, 全体でも21例 (65.6%) がADL1の状態で生存中であった (平均follow-up51.6ヵ月, 最長156ヵ月).Follow-up期間中, その死因にCEA側のstrokによるものはなかった.術前に全身の機能評価を十分に行い, 術直後より厳重に循環呼吸管理を行うことにより術後の合併症を防げば, 70歳以上の高齢者にもCEAは有効な治療法となる可能性は高いと考えられた.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top