脳卒中
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左辺縁葉後端部病変による言語性記憶障害
笠畑 尚喜河村 満塩田 純一荒木 重夫杉田 幸二郎
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1994 年 16 巻 4 号 p. 290-295

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抄録

左辺縁葉後端部の小出血で選択的健忘症状を呈した53歳の男性例を報告した.全身痙攣後に一過性意識障害を呈し, 意識障害の改善と共に健忘が明らかになった.健忘は, 言語性優位の著明な前向性健忘と軽度の逆向性健忘で, 障害はエピソード記憶に選択的で, 意味記憶, 手続き記憶は保たれていた.急性期のX線CTでは左辺縁葉後端部に高吸収域を認め, 亜急性期のMRI (T2強調) では同部の皮質と皮質下白質に限局した低信号域を認めた.文献報告例との対比から左辺縁葉後端部病変による健忘は前向性健忘が主体であり, 言語性優位である可能性が示唆された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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