17 巻 (1995) 1 号 p. 43-50
砂ネズミ一過性脳虚血モデルを用い, 遅発性神経細胞死の過程におけるα-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepro pionic acid (AMPA) 型グルタミン酸レセプターサブユニットのmRNAと蛋白の双方の変動を観察し, 細胞死のメカニズムとの関連を検討した.海馬CA1領域では5分虚血後1日目にGluR1 mRNA, GluR3 mRNAの顕著な発現の低下がみられたがGluR2m RNAの低下は軽度であった.GluR1-3蛋白の虚血後の変化はCA1領域で1日目の免疫陽性構造の局在の変化として認められた.GluR4は錐体細胞よりも虚血に対して抵抗性のあるインターニューロンに主に認められた.以上の結果より, 虚血後AMPAレセプターはdown-regulationを受けることが示唆され, さらに虚血負荷後一過性にGluR2優位のサブユニット構成変化が生じていることが示された.これはCa2切細胞内流入機構の虚血後変化を意味しており, 遅発性神経細胞死の機序の一つを説明するものと考えられた.