脳血管障害 (CVD) 患者の血圧と身体活動性の日内変動を時系列データとして解析し周期構造を求めた.その周期構造を健常者と比較し, さらに血圧と身体活動性の周期構造の関係を検討した.血圧は非観血的携帯型血圧計を, 身体活動性の記録は加速度センサーを用い, 最大エントロピー法 (MEM) による周波数解析と非線形最小二乗法の最適あてはめ曲線により収縮期血圧 (SBP) と身体活動性について, CVD患者110人と健常者50人の日内周期構造を求めた.健常者では24±3時間と12±3時間を主周期とする周期構造が認められたが, CVD群では24±3時間と12±3時間の基本周期構造を逸脱する例が多く認められた.また, CVDの各病型間においても周期構造に相違が認められた.CVD群の穿通枝系脳血栓症において, 身体活動性とSBPとの周期時間あるいは頂位位相が解離を示す例が認められ, 血圧の日内周期構造は身体活動性のみでなく脳血管障害そのものが影響を及ぼしている可能性が考えられた.