脳卒中
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脳血管障害緊急症例に対するHelical CTの経験
松本 正人佐藤 直樹仲野 雅幸渡部 洋一児玉 南海雄
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1995 年 17 巻 4 号 p. 348-355

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抄録

救急患者に対しhelical CTを用い3Dimensional-CT Angiography (3D-CTA) を行ったので, その経験について報告した.くも膜下出血18例, 脳梗塞15例, 脳内出血7例, くも膜下血腫を疑った4例の計44例を対象とした.三次元画像処理は約10分で可能であり, 脳血管撮影で所見が得られる前に3D-CTAで病変部を捉えることができた.くも膜下出血においては, 全例で動脈瘤を確認することができ, 脳血管撮影所見, 剖検所見と一致した.3D-CTAは動脈瘤, parent arteryと周囲血管との相互関係を明瞭に描出し, 特に手術シミュレーション画像は有用で, 緊急手術に対応が可能であった.現在のところ1mm径以下の血管の描出, 狭窄病変における正確な狭窄程度の評価については困難であり, 脳血管撮影を参考にする必要があった.Helical CTによる3D-CTAは画像精度に優れ, 救急患者に十分対応が可能であった.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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