脳卒中
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青森県下北地区における破裂脳動脈瘤の発生状況
地域基幹病院における患者登録による推定
大熊 洋揮蛯名 国彦鈴木 重晴
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1995 年 17 巻 5 号 p. 466-472

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抄録

地理的特殊性から脳卒中の疫学的調査に適すると考えられる青森県下北地区において, 破裂脳動脈瘤の発生状況に関し1988年4月~1993年3月の5年間の99症例をもとに検討を加えた.対人口10万人の年間発生頻度は男性17.7例, 女性25.4人, 全体21.7人であった.年齢別症例数は従来の報告と同様であったが, 年齢別の年間発生率 (対人口10万人) は男性では40~70歳代に36~44人とほぼ同率の発生率であったのに対し, 女性では高齢になるに従い発生率が上昇し, 70歳代以上で75人の発生率を示した.季節別の発生数では7~9月に比し1~3月, 10~12月に多くの症例を認めた.
この結果より, 今後高齢化社会となるに伴い, 破裂脳動脈瘤が増加すること, 女性症例の比率が高まることが示唆される.また寒冷が脳動脈瘤の破裂に影響を与える一因子である可能性も示唆されたが, 確認のためにはより多施設での同様の検討が必要である.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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