脳卒中
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急性期に出血時間が延長した再発性高血圧性脳内出血の1例
千田 圭二沖田 直高瀬 貞夫
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1996 年 18 巻 1 号 p. 60-64

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抄録

高血圧性と考えられる被殻出血が, 初回出血の12日後に対側に再発した36歳女性例を報告した.出血時間が, 初回出血から再出血の急性期にかけて延長し, 約4週間で正常化した点が注目された.血圧の動揺が一因となって再出血が起こり, この出血を出血時間の延長が助長したと推察されたが, 出血時間を一過性に延長させた原因は不明だった.1992年から1994年に経験した出血性素因のない急性期脳内出血37例をretrospectiveに検討したところ, 2例で出血時間が一過性に延長していた.この結果から, 脳内出血自身が出血時間を延長させる可能性を指摘した.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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