脳卒中
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脳血栓症における血中Endothelin-1およびThrombomodulin動態に対する選択的cAMP phosphodiesterase阻害の影響について
小松本 悟来馬 秀聡奈良 昌治
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1996 年 18 巻 2 号 p. 110-117

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抄録

Endothelin-1 (ET-1) は血管収縮機構1を介して, 脳血管障害の病態生理に密接に関与している.また, Thrombornodulin (TM) は, 内皮より逸脱した血中微量蛋白質である.慢性期脳血栓症25名を対象として, 選択的cAMP phosphodiesterase阻害剤であるCilostazol 200mgの2週間投与前後における血中ET-1, TM値の変動について検討した.血中ET-1値は, 投与前2.16±0.68ng/mlを示し, 投与後1.75±0.80pg/mlへと有意に減少した (p<0.05).
糖尿病合併群における血中TM値の基礎値 (3.18±0.70FU/ml) は糖尿病合併のない群 (2.37±0.19U/ml) に比し, 有意に大であった.Cilostazol投与前後における血中TM値には変動は見られなかった.血中TMは, 血管内皮障害の1つの指標になる可能性が示唆された.また, Cilostazolによる血管拡張作用, 血小板凝集抑制効果の結果, 血管内皮におけるET-1産生が減弱した可能性が考えられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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