脳卒中
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Mild hypothermiaは局所性脳虚血障害に有効か?
実験的研究の検証
宮澤 隆仁
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1996 年 18 巻 4 号 p. 263-273

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抄録

頭蓋内出血, 不整脈などを誘発するprofound hypothermiaに代わり, 脳温を30から35℃に維持するmild hypotherrnia (以下, MH) が, 全脳虚血モデル, 外傷モデルに対して効果的であることが1980年代に実証された.1990年代に入ると, 主にラット局所性脳虚血モデルに対するMHの脳保護作用を検証した研究論文19篇を渉猟しえた.一過性中大脳動脈閉塞11群では全著者がその有効性を確認し, 永久的中大脳動脈閉塞11群中8群で有効, 3群で無効であった.虚血中あるいは虚血後1時間以内にMHを開始すれば梗塞巣は縮小することが明らかとなったが, 虚血後数カ月してからの慢性期にも遅発性神経細胞死を防止するか否かは明らかではない。ヒト局所性脳虚塩症例へのMHの臨床応用にあたっては, MHの持続時間, 復温の方法, 凝固機能障害への対処法など未解決の問題点がある.また, 多岐にわたるMHの脳保護作用のメカニズム解明にも新たなアプローチが必要である.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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